3・17警察庁通達全文 2008/5/17(土) 午後 10:27

ち密な交通事故事件捜査の推進について

@ 現在、「適正な交通事故事件捜査及び被害者対策の推進について」(平成10 年9月17日付け警察庁丙交指発第20 号、丙交企発第114 号、丙都交発第27 号。)により、警視庁又は道府県警察本部(以下「本部」という。)に事故捜査指導官を置き、事故原因の究明が困難な交通事故事件の捜査について警察署を実地に指導することとされているが、事故捜査指導官が臨場して十分な指導を行い得ない状況が見受けられるほか、

A社会的反響の大小にかかわらずより慎重な捜査を行うべき交通事故事件等につき組織的な取組みが欠けていたと言わざるを得ない事例が生ずる等必ずしも所期の効果を上げているとは認められない状況にある。


B他方で、救護義務違反等の厳罰化の背景にある国民の求め及び裁判員制度を始めとする司法制度改革に的確に対処するため、悪質な交通事故事件、事故原因の究明が困難な交通事故事件等について、客観的な証拠収集の徹底、各級捜査幹部の主体的かつ具体的な捜査指揮等ち密な捜査の推進が従来以上に求められている。

Cこのため、現行の事故捜査指導官制度を改め、悪質な交通事故事件、事故原因の究明が困難な交通事故事件等について組織的かつ重点的な捜査並びに正確かつ綿密な実況見分及び鑑識活動を行う体制を整備するとともに、交通事故事件捜査の基本たる実況見分等に係る教養の強化を図ることとした。


D各都道府県警察にあっては、下記の事項の措置をとり、ち密な交通事故事件捜査の推進に努められたい。

   記
第1 交通事故事件捜査体制の強化

1 特定事故事件等に係る組織的かつ重点的な捜査の推進
死亡、重傷事故のうち、救護義務違反に係るもの、危険運転致死傷罪の適用が
見込まれるもの、一方当事者の供述以外に証拠が得られないおそれがあるもの及び警察職員が一方当事者であるもの(以下「特定事故事件」という。)については、本部の実質的関与が図られ、組織的かつ重点的な捜査が遂行される体制を確立すること。

 また、特定事故事件以外の交通事故事件で当事者の言い分が食い違う事故等事故原因の究明が困難なもの(以下「指導対象事故事件」という。)については、本部による警察署に対する指導体制を強化すること。

 このため、次により、本部の交通事故事件捜査担当課に交通事故事件捜査統括官及び交通事故鑑識官を設置すること。

(1) 交通事故事件捜査統括官
ア要件
交通事故事件捜査統括官は、交通事故事件の捜査経験が豊富な警視又は警
部の階級にある者をもって充てるものとし、専任とする。
イ任務
(ァ) 特定事故事件について、警視総監若しくは道府県警察本部長(その命を
受け当該特定事故事件の捜査の指揮監督に当たる部課長を含む。)又は警
察署長の指揮監督の下で、その捜査を統括する。
(イ) 指導対象事故事件について、警察署を指導する。

(2) 交通事故鑑識官
ア要件
交通事故鑑識官は、警察庁が実施する交通事故鑑定専科を修了した者で、警部又は警部補の階級にあるものをもって充てるものとし、原則として専任とする。
イ任務
(ァ) 特定事故事件について、交通事故事件捜査統括官の命を受け、実況見分
及び鑑識活動について現場指揮(刑事部鑑識課等が鑑識活動を行う場合に
あってはこれに対する助言。以下同じ。)を行う。
(イ) 交通専務員に対し交通事故鑑定専科で得た知見の還元教養等を行う。

2 特定事故事件に係る捜査等

(1) 本部への速報
特定事故事件及び指導対象事故事件が発生した場合には、発生地を管轄する
警察署長は、本部の交通事故事件捜査担当課長にその旨を速報すること。

(2) 交通事故事件捜査統括官の臨場等
警察署長から特定事故事件が発生した旨の報告が行われたときは、交通事故
事件捜査統括官は、速やかにその現場に臨場し、その現場の状況について把握
するとともに、事故原因の解明、過失責任の特定等について、捜査を統括する
こと。
また、交通事故鑑識官は、交通事故事件捜査統括官と共に速やかにその現場
に臨場し、豊富な経験及び知見に基づき、正確かつ綿密な実況見分及び鑑識活
動が行われるよう現場指揮を行うこと。

第2 実況見分及び鑑識活動に係る教養の強化等

1 捜査(鑑識)の中核たる人材の育成

警察庁が実施する交通事故鑑定専科については、その委託先の受入枠の減少に
伴い、交通事故鑑識官等各都道府県警察における捜査(鑑識)の中核となる人材の育成を目的とすることとし、平成21 年度以降その入校条件を「45 歳以下の警部又は警部補」とする予定である。

また、交通事故鑑定専科入校者は、本専科修了後に交通事故鑑識官として登用
されることはもちろんのこと、将来的に交通事故事件捜査統括官として用いられることが見込まれる。したがって、入校候補者については、計画的な育成を図るとともに、交通事故事件捜査の経験を積ませるほか、交通事故鑑識官による交通事故鑑定専科で得た知見の還元教養を行うよう努めること。

2 交通事故鑑識官による教養の実施

交通事故鑑識官は、警察署の交通専務員の捜査技量の向上を図るため、特定事
故事件の実況見分及び鑑識活動を通じ、警察署の交通専務員に対し、実況見分及び鑑識活動の着眼点等について実地に教養を実施すること。

また、各都道府県警察の実施する交通事故捜査専科教養等に際しては、交通事
故鑑識官による交通鑑識等に関する教養の機会を設けるよう努めること。

3 交通事故鑑定専科修了者の人事配置

交通事故鑑定専科を修了した者については、原則として、本部の交通事故事件
捜査担当課に配置すること。

                             以上

1 littlemonky737 2008/5/17(土) 午後 10:32
上記通達文、「社会的反響の大小にかかわらずより慎重な捜査を行うべき交通事故事件等につき

組織的な取組みが欠けていた

と言わざるを得ない事例が生ずる等必ずしも所期の効果を上げているとは認められない状況にある。」

今回の高知・愛媛白バイ事故に関する県警の組織的な取り組みはどうだったのか?

十分に組織的に取り組んだと思いますが・・・どうでしょ〜

2 urato0711 2008/5/18(日) 午後 7:36
>とりわけて警察職員が一方当事者である特定事故事件では、証拠へ工作したり、証拠を捏造してはならず、組織的に証拠工作や証拠捏造を行ってはならない、と文言に書かなかったのは、3・17通達の大きな欠陥であり、弱点でしょう。

それを言わなければ、新設の捜査統括官や事故鑑識
官の統括・指揮の下に、決してバレないように、これまで以上により「ち密」な工作や捏造が為されることになりかねない。高知・愛媛白バイ事件は捏造が粗かったからバレた、もっと緻密にやろうということになりかねない。
それだけ国民は不信感を持っているのです、5万人の署名もその現れでしょう。

3 urato0711 2008/5/18(日) 午後 7:58
(つづき)愛媛白バイ事件で、目撃したA氏は呆れたように語る。
「当日、現場検証に来ていた警察官が、何もない道路上にチョークで2本の線をひいて写真を撮っていたので、『この2本線はなんですか?』とたずねたんです。するとその警官は、『白バイのブレーキ痕です』と言うので、私が、『何も見えませんが?』と言うと、『これは警察にしか見えない特殊な痕跡です』そう答えたんですよ」
翌日、家族が現場の路面に這いつくばって見たが、これといったタイヤ痕らしきものは見当たらなかった(『冤罪File』bQより)。
通達には、「警察だけにしか見えない特殊な痕跡」がどういうものなのか触れてもらいたかった、と思うのは私だけだろうか。

4 urato0711 2008/5/20(火) 午前 10:38
仮に高知や愛媛の白バイ事件を裁判員制度で行ったならば、警察・検察は有罪(すなわち冤罪)を貰えないでしょう。馴れ合い裁判官のカタタやシバタだから貰えたと思いますよ。
ここまで明らかになった事実や証言からして、裁判員の皆さんは、冤罪作りに加担はしないでしょう。一方、警察の捜査に名を借りた捏造に厳しい批判の眼が向けられるのは必至であって、この辺の危機感があっての3・17通達でもありましょう。

5 urato0711 2008/5/20(火) 午前 11:00
(なお、この事件を離れて考えれば)。
夜間風雨の中や、荒れ狂う暴風雨の中や、凍結路面の吹雪の中で、実況見分を行う警察官にとって、それも地域内に事故が多発した時などの場合、限られた人員で「正確かつ綿密な実況見分及び鑑識活動」を実際に行うのは、そう容易なことだろうか。この面での体制整備も必要ではないのだろうか。

6 godaisan08 2008/5/21(水) 午前 7:20
>来年5月以降は、検察審査会が同じ事件を2度『起訴相当』と議決すれば、強制的に起訴される仕組みに改められる(朝日20日、検察審査会60年式典)。

7 godaisan08 2008/5/21(水) 午後 6:28
<厳正かつ適正であってほしい>特定事故事件を
http://c3plamo.slyip.com/blog/archives/0011/
からお読みください。

8 IB 2008/8/29(金) 午前 3:11
交通違反を取り締まるはずの白バイ隊員。いかなる状況であろうと絶対避けねばならなかった交通事故。
春野町の事件の根底に在るのは、警察として絶対あってはならない不祥事そのもの。この事件の闇はものすごく深い。

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