冤罪の歴史 2008/1/31(木) 午前 1:45 |
松川事件というのをご存知だろうか。 59年前の事件です。 年配の方ならご存知だと思います。 私も最高裁が原審差戻しとして逆転判決がでた裁判例として教えていただいて、はじめて知った冤罪事件です。 詳細は松川事件をご覧ください。 その中から 「おっ」と感じた部分を転載します。 『事実究明のために決定的な意味を持つこの重要証拠を、検察は捜査段階から手元に置いて隠匿していた。 『上告審において弁護側がこのメモの存在を知り提出を要求し、最高裁もまた提出命令を出すが、そのときに至るまで検察内部で隠し続けていたのである』 『重要物証「自在スパナ」に対する疑問が大きくなる中、差し戻し審の法廷で驚くべきことがおこる。 最高裁の差し戻し決定を受けた仙台高裁での審理において、検察側が突如として、証拠として提出されていたものとは別の「小型自在スパナ」を法廷に持ち出した。そして、この新たに提出した「自在スパナ」は「事件直後に捜査員が松川駅の線路班倉庫から『引きあげ』、金谷川駐在所に保管していたまま忘れていたものである」と説明した。 これはつまりこういうことを意味した。 これまで証拠品として提出してきた「自在スパナ」は偽物で、こっちが本物の「自在スパナ」であると。しかも、被告たちが盗み出して犯行に用い、現場近くに放り出してあったはずの「自在スパナ」は、実際には事件当時まちがいなく倉庫の中にあって誰にも使われておらず、これが持ち出されたのは事件発生後、捜査官の手によってであった、と。さらに推論すると・・・・、』 是非一度 見てください。 戦後の混乱期の事件にも関わらず、見事、無実を証明したその過程は参考になりました。 やはり 『声』なくしてこの白バイ事故の真実の究明はできない。 判決が出るまでに 大きな声 出したい。出さなくてはいけない。 いつ来るかわからない判決を待つ片岡さんやその家族はどの様な想いなのか? 『いつ来るかわからない』 これは きついよ。 俺ならどうしているだろうか? あなたならどうしていますか? 最後に松川事件からの転載です 「厳しい社会情勢の中で、なお真実を訴え、不屈の意志をもって無罪を勝ち取った全ての被告の皆さん、そして、それを支えた全ての方々に対し、主義主張を越えて深甚なる敬意ををあらわします。」 主義主張を超えなきゃ と「ちっくと右」の私が痛感しました。 |
1 | iiojyun | 2008/1/31(木) 午後 1:48 | 最高裁が17被告に対する有罪部分を破棄し仙台高裁へ差し戻した判決理由は、 国鉄側と東芝側との連絡謀議の存否に焦点を絞り、証拠とされた太田自白が、その内容および≪諏訪メモ≫からみて不合理なものであり、したがって連絡謀議の存在は疑わしい。 連絡謀議の存否は「本件事案の全般的構造」に影響を及ぼすものであるから、重大な事実誤認の疑いがある、とするものであった。 |
2 | iiojyun | 2008/1/31(木) 午後 2:44 | ・白バイとスクールバスの事故の本件においても、止まっていたバスを動いていたとするなど重大な事実誤認がある。 刑事訴訟法411条は、原判決(シバタ判決)の破棄事由に「判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。」を規定している。 |
3 | iiojyun | 2008/1/31(木) 午後 2:58 | 差戻しをうけた仙台高裁では、47回に及ぶ公判廷が開かれ、検察側がもっていた捜査段階における被告人、参考人の供述調書を新証拠として提出せしめ、また実地検証をおこなうなど審理を重ねた結果全員無罪の判決を下した。 ・・シバタ裁判はそもそも実地検証をしていないのである。公判廷はたったの一回で結審した。生徒さんなどの新証人の新目撃証言も公判廷で調べていない。 |
4 | iiojyun | 2008/1/31(木) 午後 3:13 | 仙台高裁の判決理由は、 連絡謀議についてはもとよりその存在が疑わしいのみでなく、実行行為についても、実行行為者とされた被告らのアリバイを明らかにし、とくに実行行為の決め手とされた≪赤間自白≫について、その内容はとうてい信用できないことを論証し、「赤間自白なくして松川事件は存在しない」のであるから、「事件全体の可能性はきわめて少ない」としたのであった。 ・・シバタ判決に対して、その決め手とされた≪スリップ痕写真≫≪A隊員の証言≫≪算定書≫は、皆様のご努力によって、とうてい信用できないことが論証されてきました。 |
5 | iiojyun | 2008/1/31(木) 午後 6:48 | 松川裁判の争点は、 被告の半数以上が警察で否認しており(自白した者も法廷では全員否認)、警察の拷問・強制を訴えていたのに対し、検察側が被告の1人の自白を他の被告の不利な証拠としていた点、 またとくに法律問題の背後にある事実認定に不確かなものがあったことである。 ・・シバタ判決は、衝突をすぐ近くで目撃した品原校長、スクールバスの中にいた先生と生徒、事故白バイの後を走行していた運転者など弁護側証人を、ことごとく排除し、最も遠方にいた同僚白バイ隊員Aの証言のみで片岡さんを有罪にしている点において、証拠採用に極めて著しい偏りがある。 ・レストラン駐車場から右折のため止まっているバスの運転席の片岡さんの顔を見ていたという新証人も現れています(12月9日ザ・スクープ)。 |
6 | iiojyun | 2008/1/31(木) 午後 7:19 | 第一審、第二審、では≪赤間自白≫の矛盾点、身体障害者の高橋被告が実行に参加できたかどうか、犯行に使われたというバールとスパナの問題点などが争われたが、上告審の口頭弁論では、新たに発見された諏訪メモが佐藤一被告のアリバイを証明するものとして提出され、大きな波紋をよんだ。 諏訪メモは福島地検の倉庫、次席検事の官舎などを転々とし、表向きは副検事が主たる保管責任者とされて隠匿されてきたもので、1958年に諏訪氏に還された後に、最高裁大法廷に証拠として提出されたものである。 検察側が諏訪メモを隠匿せずに第一審で明らかにしていたならば、別の被告の自白を根拠とする「49年8月15日午前11時からの福島国労事務所における共同謀議」が「空中の楼閣」であり、一審ですでに全員無罪が言い渡されたのである。 ・・本件においても、≪スリップ痕(写真)≫の矛盾点や≪A証言≫の矛盾点などが明らかにされている。 |
7 | iiojyun | 2008/2/1(金) 午前 8:54 | 作家広津和郎は第二審判決批判<真実を阻むもの>を『中央公論』に書き、以来4年半にわたっていわゆる<松川裁判批判>を連載、膨大な裁判資料をたんねんに検討して「被告諸君がクロであるという証拠は一つもない。むしろ、シロであるという証拠が無数にある」という結論に到達した。 この広津和郎の実証的な論証とともに、宇野浩二<世にも不思議な物語>(『文芸春秋』)も発表され、国民の松川事件に対する関心を高めた。 |
8 | iiojyun | 2008/2/1(金) 午前 9:12 | 白バイ・スクールバス事故の本件においては、 当ブログや『雑草魂』や多くのブログやHPによってネットを通じて国民の関心を集めており、 テレビではこれまでにKSB(瀬戸内海放送)テレビ朝日のスーパーモーニングやザ・スクープなどで特集番組が放映され動画でも見ることができるようになっており、 また週刊フライデー、週刊新潮、月刊誌マガジンX、ミスター・バイク、月刊現代などに記事が掲載されていて、関心を持つ人々が日毎に増えています。 |
9 | iiojyun | 2008/2/1(金) 午前 9:27 | 署名を開始して2ヶ月で3万名もの署名が集まったのも、この裁判への国民の関心の広がりを示すとともに、原審シバタ判決がいかに不公正なものであるのか、そのことを示して余りあるのである。 ・このことを、最高裁はしっかりと受け止め認識してほしい。 |
10 | iiojyun | 2008/2/1(金) 午後 1:16 | ※1月18日最高裁への要請書が『片岡晴彦さんを支援する会HP』にUPされました、担当は最高裁第二小法廷です。HPをご覧下さい。 |
11 | iiojyun | 2008/2/1(金) 午後 1:33 | 労働組合を中心とする<松川事件対策協議会>の無罪釈放運動も活発におこなわれ、協議会主催の<民間人の現地調査>の催しは、延べ1万人の参加者を集め、上告審、差戻審、再上告審の直前におこなわれた<松川大行進>も多数の人々を動員した。 こうして松川裁判をめぐる運動は国民運動に発展し、さらに松川裁判をおもな契機として、国民のあいだに、裁判官に対する再検討の気運がおこったのも収穫であった。 |
12 | iiojyun | 2008/2/1(金) 午後 1:56 | 本件においては『片岡晴彦さんを支援する会』が、 12月5日片岡さんの地元、仁淀川町で200名を集めて石川和夫・柳原三佳講演会を催し、 1月18日には最高裁への要請と署名提出、衆参法務委員会への要請、国会議員への要請、最高検察庁への要請をおこない、 1月24日には高知市で200名近くを集めて石川和夫講演会を催した。 (2月2日松山市で催される愛媛白バイ事故の柳原三佳講演会でも訴えがなされるでしょう) |
13 | 一支援者 | 2008/2/2(土) 午前 0:17 | iiojyun様 いつもありがとうございます。今日の松山での講演会に行って来ます。 |
14 | iiojyun | 2008/2/2(土) 午後 7:20 | (上記は当ブログと『雑草魂』、平凡社の世界大百科事典「松川事件」(執筆、青地晨・小田中聡樹)や秋山賢三著『裁判官はなぜ誤るのか』岩波新書を参考にしました)。 |
15 | littlemonky737 | 2008/2/2(土) 午後 11:04 | iioさん ありがとうございます |