第3回公判傍聴録 その1 2007/3/20(火) 午前 0:59

 
 平成19年3月6日はこの事故の第3回公判が高知地裁にてありました。
 
 被告人つまりスクールバスの運転手サイドの証人が証言台に立ちました。
 
 以下の内容は、今回の公判で私が聞き取ったものを要約して書き込んだものです。
 
 証言内容や検事の反対尋問や弁護士の質問等は出来る限り客観的に書いたつもりです。 


 
証人Bさんの証言

  1,事故を起こした白バイを見たのはレストラン現代付近

  2、その時の白バイは、点滅信号のある交差点の旧道内で停車していた。

  3、すぐに私の車のまえに進入し、白バイは第2車線(中央分離帯より)を走行し始めた。その時の車間距離は私の感覚で10M、軽くブレーキを踏んだが安全距離と確認した。 

  4、その時の私の速度は50〜55KMであることをスピードメーターで確認している。

  5、隊員は腰を上げてシートに座り直すと、加速を始めた。

  6、事故現場の手前のカーブまでは第2車線をバイクは走行していた。

  7、その時の白バイの速度は、自分の車の速度と比較して、私の感覚ではあるが時速100KMくらいはでていた。

  8、その後、私がカーブを過ぎたときにスクールバスを確認した。その時事故を知った。

  9、一旦停止して、他の車が歩道に乗り上げて通過するのを見て、私もそれに習った。

                以上
 
 なかなか落ち着いていた様子で、はっきりとした口調で淡々と証言していました。

 
 では 検察の反対尋問とBさんの返答です。

Q1 目撃したことの問い合わせはどこから?
A1 運転手さんからです。

Q2 被告人との面識は?また、どうして被告人はあなたを知ったのか?
Q3 面識はありません。どうして私に連絡してきたのか知りません。

 検察としたら証人と被告と面識があれば都合がよいのでしょう
 検察官の用意した証人はずべて警察関係者

Q3、あなたは、白バイの速度をおよそ100KMといっているが?
A3 自分の車の速度と比較した上での私の感覚です

Q4 速度を目測で測る訓練をしている別の人は60KMと言っているが・・
A4 私の感覚では100KM位です。
(検察は質問の答えよりも、目測訓練をした証人は60kmといってるってことを裁判官に訴えたかったようだ。)

Q5 事故をおこした白バイが貴方が見た白バイと同一であるということは間違いありませんか?
A5 ・・・・・・・・

つづけて 検察官が質問

Q6 事故があったとき、通報を受けた別の白バイ隊員がその付近にいて事後現場へ駆けつけたんですが、その白バイと見間違ったのではありませんか?


 (前回の公判で 証言者の白バイ隊員に「応援の白バイはきたか?」と検察官が質問した

 白バイ隊員は「はい、弘岡付近にいたN隊員が来ました。」と答えている。)
 

A6 ゴルフセンター(イーグル荒倉)の下で、白バイをとめて事故現場へ駆けつけている白バイ隊員は見ましたが・・・。
  (証人Bは混乱した)
 (この白バイ隊員は、目撃証言をした白バイ隊員)

 (検察は同じ質問を重ねた。検察の質問の意味が理解できないBさんは冷静さを失ったようです。Bさんが冷静さを失ったのはこの一度だけです)。

 聞いている私は、検察の思惑通り、つまりは「証言がぼやけてしまった」恐れがあると感じた。

 具体的に言えば、Bさんが事故現場を通りかかったときそこに白バイが何台いたのか、

 つまり 駆けつけたN隊員がいたのかどうかが、はっきりしなくなった。

 満足したのかこの件についての検察の質問は終わった。
 
 その後、いくつか質問が続いたが落ち着きを取り戻したBさんは、しっかりと答えてました
 
 この公判は検察官が2人いて、若手(検察官2)が前回から補助のような形で来ている

 Q7 (証言3について) あなたは10M前に白バイが現れたときに軽くブレーキをかけたといいましたが、ふつう10M前に他車が飛び出してきたときは、急ブレーキをかけたりするんですが、あなたは安全な距離であると言いましたが、どうですか?


 A7 10Mと言うのは私の感覚であり、わたしはその距離で十分に安全であると思いました。(だから急ブレーキを掛けなかった)

 検察官2は2,3度同じ内容の質問を繰り返したがあきらめた。
 
 Bさんは淡々とこたえていました。でも、喚問が終わり傍聴席に戻るときはかなり疲れていたようでした。緊張さめやらぬ面持ちで傍聴席に戻る彼に、被告人サイドの人は軽く頭を下げてましたね。ありがとうございました。

 話は前後しますが、そのやりとりの後も、若い検察官2は先ほどの先輩検事(検察官1)の質問と似たようなことを尋ねていました。その中に気になる質問がありました。

 答えやすい質問をして、流れを作り、核心をつく質問をさらりとする・・・心理戦です。
 
 以下その部分です。

 Q8 あなたは事後現場を通過するとき、歩道ををまたいで通行したと言いましたが、その時、歩道付近に停車していた車を見ました?
 
 A8 見ていません。歩道には車はありませんでした。

 見事な質問です。検察官2は期待通りの回答を得たことでしょう
              
 
 
裁判官は判決理由でこの証人Bの証言を下記の理由で不採用とした

「証人Bは白バイが目の前10mに白バイが現れたときか軽くブレーキを踏んだと言っているが、これは不自然。(急ブレーキを踏んでいるはずだ)

 よって 白バイの速度の推測の根拠である証人Bの車の速度は55km/hとは推認できない。

 これにより 白バイの速度が100km/hとはいえない。

 
検察のQ7の主張をそのまま判決理由に採用している。

 完全な第三者の目撃証言を以上のように扱っている。

 なんという判決か


        

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